闇鍋RTA企画 の 感想

2020年9月6日、闇鍋RTA企画にNewマリRTAの解説として参加しました。

私はRTAinJapan参加レポを読むのが3度の飯より好きです。真似して自身の体験をまとめてみることにします。

解説前(1週間前)

2020年8月28日、一つのツイートがTLに流れてきました。

闇鍋RTA企画の枠に空きが出たという運営うしゅ~さんのツイートでした。内容は空いたスマブラSPの走者募集という事でした。しかし、まぁおそらくNewマリ解説枠も不足しているだろうな~、と察していました。

NewマリRTA沼界隈(2名)の中でこの企画は注目されていました。企画として興味はありましたしNewマリRTAが日本初披露される場でもありました。

折角のNewマリRTA初披露、解説無しで終わらせたくはないな…

1人のRTA走者としてそう感じました。

 

次の日、闇鍋RTA企画にNewマリの解説としてお手伝いできないか、勇気を出してうしゅ~さんにDMを送信。突然の申し出でありながら快く承諾いただいたけました。

 初の企画参加。初のRTA解説。本番まで1週間。

 

解説準備(当日まで)

さてどうするか…。

解説やったことないけど…。

できるだけ全力で用意しよう…。

 

ということで、自分なりに次の4点を考えました。

 

 ・【誰】に解説するか?

ターゲットをNewマリRTA初見の方に絞りました。

まず誰に向けた解説をするかというお話です。「RTAの解説では誰に何を伝えるかが大事」と、とんこつさん(ドンキーコングRTA走者)がRTA解説論でおっしゃってました。(0:42から、大変参考になりました)

www.twitch.tv

RTAという専門性の高いもの(今回は特にスピードの速いアクションゲーム)を説明するためには情報の取捨選択が重要でしょう。ターゲットを正しく絞らなければ、限られた時間に必要な情報を収めることができません。

今回は特にターゲットを「Newマリを知らない」&「NewマリのRTAを知らない」に絞り、Newマリ初見の人が「何となく楽しい」と感じてもらえる解説を目指しました。

具体的には「マリオというゲームをを知らない人」のための基本情報の説明を省きました。例えば、ステージの仕組み(ワールド、ステージ、マップの仕様)、ゲームの前提(ジャンプして進む2Dアクション)など、マリオをしてたら100%知ってるような話は省きました。また「NewマリRTAを深く知りたい人」のための説明も省きました。例えば、コウラ状態は解除しジャンプをしたほうが早い、速度が何倍になるかなど、今回取り入れられなかった短縮ポイントや難しい話も極力省きました。

 

・【どのように】解説するか?

配信の流れに合わせて、柔軟に対応できる解説を目指しました。

RiJなどのRTA解説って、私個人の考え方ですが、

「①1から100まで台本通りのシナリオ型」

「②2人くらいで雑談が続く会話型」

「③RTAの流れに合わせる実況型」

の3パターンに区別されると思っています。いかがでしょう?

今回私はガチガチに台本は作成せずプレイに合わせて説明を加えるという、実況形式をとりました。無理やりシナリオ通りに進めようとして途中から滅茶苦茶な進行になるというのが、何より恐ろしかったからです。また企画の特性上、アクシデント(大ガバ)の発生で台本が大きく崩れる可能性があったことも理由の一つです。

 

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台本。各ステージごとに10秒程で話せる解説を用意しました。話したい内容は別に個別で用意して、状況に合わせて話題に出す形式にしました。

 

余談ですが、私が好きなのは台本ガチガチに組んでる「シナリオ型」です。RiJ2019の量さんのRefunctは最高の完成度だと思います。おススメです。

www.youtube.com

 

・【何】を解説するのか?

なんとなく走者凄いと感じてもらえるための解説をしました。

NewマリRTAの難しさ、そしてはるかぜさんの上手さを伝える解説を心掛けました。RTAを見て「上手い」と感じてもらうには、「何が起こっていてそれをどう突破しているか」を理解してもらうことが大切かな、と思います。そこで各ステージの特徴、注意すること、強い敵キャラなど、RTAの難所をわかりやすい内容を中心に説明するようにしました。

だからこそ、難しい話はほとんど抜きで話しました。今回「RTAの詳細な仕様の解説」などの話をごっそり削ったおかげで、ステージや敵キャラの話を解説する余裕が生まれ、初心者にわかりやすい説明に出来たかな。どうだったでしょうか?

またもう一つ注意した点として技(デスワープ)の解説や茶番など、盛り上がる場面の解説は逃さないようにしました。茶番は具体的には花火、8-城です。本当は1-塔、5-塔にピーチが置いていかれるネタも用意したのですが、後述する理由から披露する時間が無くなりました。

 

・どんな【声】で解説するのか?

聞きやすく、印象の良い話し方を目指しました。

解説の声や話し方って、解説においてめちゃくちゃ大切じゃないですか。

やっぱりイケボの方の解説って「お?」ってなるじゃないですか。

そこで私も、自分なりに、出せる声の中でどの声が一番解説向きかを独自調査しました。

とある生放送を見ながら、自分の声を録音する→聞く→声を変えて録音する→聞く→…をひたすら繰り返しました。実に1時間。

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大量の音声ファイル

結論:結局いつも自然に出す声が一番でした。

 

解説直前(本番30分前)

いよいよ本番。

準備はしたつもりでしたが口から心臓が出そうなほど緊張していました。

解説直前(20分前くらい)、はるかぜさんの配信を見にいきました。

そこでの光景に私は目を疑いました。

 

おいおいおいおい…

 

はるかぜさん………

 

乱数調整してる……????????????

 

乱数調整はNewマリRTA特有の技の一つで、ゲーム開幕1-1での挙動を調整することで1-2でパタブロックから青コウラを確実に取得する技のこと。

今回の初心者企画で流石に乱数調整はないだろ…とたかを括っていました。

 

乱数調整をされるというなら解説を加えるしかない……

 

ただ乱数調整の解説をすればいいというわけではありません。「Any%のルートの説明」「乱数調整の必要性の説明」「乱数がどのように決まるかの説明」「そもそも乱数とは何かの説明」と、解説に必要な文章量がえげつないです。

そして何より、解説するための文章を考えていません。

 

終わった……私の解説………

どの技を使うかくらいは確認してもらえば良かった…

(補足:事前の練習枠からどのようなルートを取るかを判断したので全く確認してなかった訳ではないですが今思うと不十分でした) 

 

ということで、準備した台本を手放して、乱数調整の解説およびWorld1までの解説は全てアドリブでいくことにしました

 

解説中(本番)

うしゅ~さんと私の2人での解説がスタートしました。

興味ある方はアーカイブをご覧ください。

www.nicovideo.jp

・序盤(World5-1まで)

ほぼ乱数調整の説明に費やしました。必死でした。

初解説のアドリブにしてはまぁ…がんばったかな…と思います…。ただ、初心者に完璧に伝わる内容とは言えませんね…。World1-1の2段ジャンプ調整を「儀式」と言ったのは、とっさにしてはうまい表現だったかなと思います。

 ・中盤(World8-T1まで)

乱数調整の話が終わり少しずつ解説も慣れてきました。

World1で本来説明する予定のことをねじ込み、なんとか台本の流れに戻そうと必死でした。台本が薄いおかげで、はるかぜさんのプレイのうまい点、良い点を適宜解説する時間が生まれたのでそれは良かったと思います。またうしゅ~さんの相槌、コメントのおかげでとても喋りやすかったです。ありがとうございました。

・終盤(最後まで)

「茶番です!!!(迫真)」解説不慣れな様子が前面に出ていました。

花火、8-城茶番でコメントがたくさんいただけていたのがすごく嬉しかったです。あと最後のコメントでNSMBの走者募集アピールができたのでそれも良かった。

解説してる最中はずっと無我夢中でした。

 

解説後(本番終了後)

ひとまず、最後まで無事解説しきることができたことにほっとしました。不安からの解放感で5分程椅子の上で魂の抜けた抜け殻のようにぼーっとしていました。この後1時間くらいは達成感、高揚感、後悔、不安などで頭の中はぐちゃぐちゃでした。

 

感想

箇条書きで並べます

・楽しかった(小並感)

なんだかんだこれが一番の感想です。一つの企画に参加して大勢の前で解説ができたことが、ここまで楽しいと感じられるとは思いませんでした。企画の助っ人として参加させていただいたことに心から感謝申し上げます。

・はるかぜさん、上手かった

特に魅せ技(乱数調整、8-塔1、8-塔2デスルーラ、8-クッパ城BowserJump)をどれも一発で決めたのが最高にかっこよかったです。私の想定を上回ったのは私の調査不足な一面もありますが、RTA走者としてとても良い走りだと感じました。闇鍋RTA企画おそるべし。

・「うまいですね」って言い続けた

解説の不慣れ感が前面に出ていました。ただこのおかげではるかぜさんの上手さが強調することができたのでケガの功名というか。

・解説がちょっと不正確でした

「右」を「左」って言ったり 「左」を「右」って言ったり。8-塔1で「世界上位だけが採用する技」といいましたが流石に言いすぎたかな…。ただあそこでファイアフラワー取得しつつ最速周期決めるのは、なかなか難易度が高いルート…。とはいえ正直「そこそこのタイムを狙うには必要な技」くらい…。他にもあった気がします…。まぁ咄嗟の台詞だったので許してください…。

・NSMBに興味持ってくれた人がいて嬉しかった

 闇鍋RTA見て始めたって人もいて嬉しいです。今後も走者募集中です。既存走者として新規が参入しやすい環境をさらに整えなくては…。

・運営や走者の方との意思疎通が足りなかった(反省点)

どのような進行を予定しているか(特に茶番)は運営の方にも先に一言お話すべきでした。また走者の調査は配信を覗くだけでなくDM等でする技くらいは直接確認すべきでしたね。

 

謝辞

走者のはるかぜさんは、NSMBを走っていただきありがとうございました。Newマリ走者として何度かミスはあったモノの、一発通しとしては十分素晴らしい記録だったと思います。最後に見た配信よりも明らかにレベルが上がっており、色々練習されたんだろうなというのが伝わりました。走者として嬉しい限りです。

運営のうしゅ~さん、べべーんさん、mobuさん、素敵な企画をありがとうございました。面白い企画だと初めて見た時から感じていました。視聴者としてもいろんな方の意外な走りを見れたのが新鮮でした(まんまるさんのゼルダとか)。時間さえあれば走者として参加してみたかったです…。

最後に

解説として参加して良かった!!!!!!